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脊髄と脊椎について
脊髄とは?
脊髄は脳から連続して繋がっており、中枢神経の一部分です。脳からの指令を手足などに伝える働きや手足などの感覚を脳に伝える働きをしています。頭と首の境目まで存在し、腰部には脊髄は存在しません。その代わりに腰部には、下位腰痛では足に行く脊髄神経(坐骨神経)が束となって馬尾と呼ばれる脊髄から出た末梢神経があります。また、脳神経外科では脳だけではなく、脳につながる脊髄や脊髄神経の疾患を扱い、これらに対する外科的治療を行っています。脊髄は人体の中心部では、脊柱管と呼ばれる背骨の中の空間の中に保護されるような形で存在しています。
脊椎とは?
脊椎は一般的には背骨と呼ばれているもので、上から、頸椎、胸椎、腰椎、仙椎が連結したものです。
脊椎の主な働きには、
・体を支える
・神経を保護する
・体を動かす
といったものがあります。
脊髄外科について
脳神経外科のうち、脊髄を中心に扱う科は脊髄外科といい、脊髄に関わる疾患の診察・治療を専門的に行う診療科です。疾患が原因による、手足の痺れや痛み、筋力低下などを診断して治療を行います。当クリニックでは、常に患者様の意思を尊重し、できる限り低侵襲で、患者様が安心できる診察や治療を心がけています。脊髄外科医は脳神経外科学会認定専門医ですので、脳から頚髄、腰髄、末梢神経まで総合的に診断、治療を行えます。
主な対象疾患
頸椎椎間板ヘルニア
椎間板は人間の背骨(脊椎)の骨と骨の間でクッションの役割をしています。椎間板内部には髄核という組織があり、頸椎椎間板ヘルニアでは、頸椎の椎間板内部にある髄核が外に飛び出した状態です。飛び出したヘルニアが神経にぶつかることで様々な症状を来たします。
頸椎骨軟骨症
20歳を過ぎたあたりから年齢を重ねるにしたがって、椎体や椎間板が変性して骨の棘が形成されていくことで、時に神経を圧迫し、痛みや痺れを引き起こす状態を言います。
後縦靱帯骨化症
後縦靱帯骨化症とは、後縦靭帯と呼ばれる頸椎の前面を縦に繋いでいる靭帯が通常の何倍もの厚さになり、骨のように硬くなる(骨化)ことで脊髄や脊髄神経の圧迫が引き起こされる疾患です。
この疾患は、欧米人と比較してアジア人に多く発症することが知られていますが、なぜ靱帯が骨化するのかについては、現在まで分かっていません。
脊髄腫瘍
脊髄腫瘍とは脊髄や脊髄神経(神経根)、あるいはそれらを包む硬膜や脊椎から発生する腫瘍の総称であり、生じる場所により以下のように分類されます。
腫瘍の分類 | 腫瘍が生じる場所と種類 |
---|---|
硬膜外腫瘍 | 硬膜の外側:転移性脊椎腫瘍など |
硬膜内髄外腫瘍 | 硬膜の内側で脊髄と硬膜の間:神経鞘腫、髄膜腫など |
髄内腫瘍 | 脊髄の中;神経膠腫、上衣腫、血管腫など |
受診を考慮する主な症状について
神経(脊髄・馬尾)に障害を来すと、手足の痺れ感や痛み、麻痺などの症状が出現します。
症状の原因には、神経そのものが痛むことや加齢などによって脊椎や椎間板が変形し、脊髄や脊髄神経の通る空間が狭くなってしまうことで神経を痛めてしまう事があります。少ないですが腫瘍が原因のこともあります。
症状と可能性のある疾患は以下の通りです。
症状 | 可能性のある疾患 |
---|---|
腰痛 | 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 脊椎分離症・すべり症 脊柱後弯症 化膿性脊椎炎 脊椎カリエス(結核) 外傷(圧迫骨折など) 悪性腫瘍(癌)の転移 |
上肢痛 | 頸椎椎間板ヘルニア 頸椎骨軟骨症 後縦靭帯骨化症 頸髄の腫瘍 |
下肢痛 | 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 腰椎分離症 背骨の腫瘍 神経の腫瘍 |
頸部痛・肩こり | 頸椎椎間板ヘルニア 後縦靭帯骨化症 頸椎症性神経根症 頸椎症性脊髄症 悪性腫瘍(癌) |
手足の痺れ感 | 頸椎骨軟骨症 椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 後縦靭帯骨化症 黄色靭帯骨化症 脊椎腫瘍 脊髄腫瘍 腰椎分離症 腰椎すべり症 |
手足の運動障害・麻痺 | 頸椎骨軟骨症 椎間板ヘルニア 後縦靭帯骨化症 黄色靭帯骨化症 脊椎腫瘍 脊髄腫瘍 腰椎分離症 腰椎すべり症 腰部脊柱管狭窄症 |
歩行障害 | 腰部脊柱管狭窄症 |
スポーツ障害 | 腰椎椎間板ヘルニア 頸椎椎間板ヘルニア 腰椎分離症 腰椎椎間板症 頸髄損傷 |
主な検査方法
大阪市北区の梅田 脳・脊髄・神経クリニックでは、3テスラの高解像度オープン型MRIを導入しています。そのため、必要時にすぐに検査を行うことが可能です。
また、3テスラは従来の1.5テスラのものと比べて、一部部位を除いて診断能が格段に向上しており、頚椎症や頸髄腫瘍などの小さな病変を映し出すことができます。