梅田 脳・脊髄・神経クリニック

お電話でのご予約・お問合せ

tel.06-6312-0011

クモ膜嚢胞

お電話でのご予約・お問合せ

tel.06-6312-0011

  • HOME>
  • クモ膜嚢胞

クモ膜嚢胞とは?

クモ膜嚢胞とは?

クモ膜嚢胞(くもまくのうほう)とは、脳を覆うクモ膜の一部が袋状となり、その内部に脳脊髄液と呼ばれる液体が過剰に貯留する疾患です。クモ膜嚢胞に罹患すると頭蓋骨内部に袋状の膨らみができますが、膨らみの中には液体が貯留しているため、根本的に脳腫瘍とは異なります。クモ膜嚢胞は先天的な疾患で、性差でみると、男児は女児に比べ罹患リスクが2~3倍高いと言われていますが、ほとんどが症状を有さない無症候性のもので、治療に必要はありません ただし、この病気があると頭部打撲の際に、嚢胞内出血を生じる可能性を言われていて、特にボクシングなどのスポーツでは、この病気の有無のチェックが必要とされていて、当院では大阪ボクシング協会と連携してのMRI検査を行っています。

脳の基本的な構造について

脳は頭蓋骨の内部に位置して外部から守られています。さらに、脳への衝撃を緩和するため、脳脊髄液という液体の中に浮いた形で存在しています。加えて、脳自体も複数枚の膜で包まれており、それぞれ脳に近い順から、軟膜・クモ膜・硬膜と言います。一番内側の軟膜は、脳の表面に付着しており、一番外側の硬膜は、頭蓋骨の内側に付着しています。そして間にあるのがクモ膜です。

クモ膜嚢胞

上述した通り、クモ膜とは軟膜と硬膜の間にあり、1枚の膜のような構造をしています。しかしクモ膜嚢胞では、1枚の膜が2層に分かれ、その間に脳脊髄液が貯留することで、クモ膜が袋状に膨らみます。嚢胞(のうほう)とは、「袋」という意味を指します。

クモ膜嚢胞の症状

てんかんの原因のこともありますが、クモ膜嚢胞は症状が現れないことも少なくありません。そのため、他の疾患により頭部の検査を行った際に偶然見つかることがあります。増大傾向にないものは経過観察となる場合もありますが、徐々に増大するクモ膜嚢胞の場合、以下のような症状が現れる可能性があり、注意が必要です。

頭蓋内圧亢進症状

頭蓋内に嚢胞が形成された結果、頭蓋骨内部の圧力が上昇することで脳が圧迫され、頭痛や吐き気・嘔吐を催します。

神経圧迫症状

形成された嚢胞によって近傍の神経が圧迫され、様々な症状を呈します。具体的には、視神経の圧迫による視力障害などが出現します。

痙攣(けいれん)

嚢胞によって脳が圧迫された結果、てんかんの原因となり、痙攣や意識障害が生じる場合があります。

思春期早発

部位によってはクモ膜嚢胞の形成される事があり、成長を促すホルモンが過剰分泌され、思春期早発を引き起こします。

クモ膜嚢胞の主な原因

クモ膜嚢胞の主な原因は先天性の発生異常と、外傷や出血、感染による炎症から生じる後天性(続発性)クモ膜嚢胞に分けられます。

先天性の発生異常

クモ膜嚢胞のほとんどは発生異常によるものです。発生とは、受精卵から身体が形成されていく過程のことであり、1つの受精卵から手足や皮膚、内臓などを生じるプロセス全体のことを指します。
手や足と同じように、脳の周囲でクモ膜も形成されていきますが、このプロセスに何らかの問題が生じた結果、通常1枚の膜状構造であるクモ膜の一部が、2枚の膜構造になることがあり、それによってできた空洞に脳脊髄液が流れ込むことで、クモ膜嚢胞となります。

後天性(続発性)クモ膜嚢胞

外傷や出血、感染による炎症の影響などから、本来1枚のクモ膜が2枚に分かれてしまうことがあります。それ以降は先天性のものと同じく、空いた空間に周囲の脳脊髄液が流れ込み、貯留することでクモ膜嚢胞を形成します。

クモ膜嚢胞の検査方法

CT・MRI検査

頭部CT・MRI検査で撮影し、クモ膜部分に嚢胞が形成されていれば確定診断となります。

CT脳槽造影・Cine MRI

腰痛穿刺を行って脳内に造影剤を流すことで、くも膜嚢胞内への脳脊髄液と交通、の流れを測定し、嚢胞の形成を評価します。

超音波(エコー)検査

胎児期の出生前診断として、超音波(エコー)を用いて胎児の頭蓋内を描出します。

クモ膜嚢胞の治療方法

クモ膜嚢胞の治療方法

多くのくも膜嚢胞は症状がなく、軽度、もしくは増大傾向にないクモ膜嚢胞であった場合は基本的に経過観察となります。ただし巨大な嚢胞で成長に影響する可能性のある場合や、増大速度が早い場合などは以下の治療などが行われます。

開頭手術

頭蓋骨の一部を外し、嚢胞を形成する膜を除去、切り開くことで脳脊髄液と交通させて液の貯留を防ぎます。

神経内視鏡下手術

開頭手術ではありますが、頭蓋骨に小さな穴を開け、内視鏡を挿入して嚢胞を切り開きます。内視鏡の性能上昇や患者様への侵襲が少ないことから、近年は内視鏡手術を選択することが増えています。

嚢胞-腹腔シャント術

シャントカテーテルと呼ばれる管で嚢胞と腹腔(腹部臓器が収まる空間)を繋ぐ手術です。管の一端を嚢胞内に挿入し、もう一端を腹腔内に繋げることで、網嚢内に流れ込む脳脊髄液を継続的に腹腔に流します。

06-6312-0011

WEB予約

初診の方はこちら