梅田 脳・脊髄・神経クリニック

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顔面痙攣

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顔面痙攣とは?

顔面痙攣とは?

顔面痙攣とは、片側の顔面、眼瞼(まぶた)、口角周囲の表情筋がピクピクと収縮するものを指します。疫学的には中年の女性に発症することが多いと言われています。健常な方でも目の周囲が短時間ぴくつくことがありますが、これは眼性ミオキアと呼ばれるもので、疲れや体調の崩れ、眼精疲労、肩こりからくるものであり、顔面痙攣とは異なります。

顔面痙攣の症状

顔面痙攣には以下のような症状があります。

  • 顔の半分がひきつる
  • 瞼が痙攣する
  • 突然口角がピクピクと動く
  • 緊張した際に痙攣が起こる

など

顔面痙攣の発症様式として、多くは眼瞼(まぶた)周囲のぴくつき(痙攣)から始まり、時間が経過するに従って、眼輪筋や口元の筋肉に痙攣する範囲が広がっていくのが典型的です。重症例では、目を開けることができなくなったり、口元のひきつりが持続したりする場合もあります。精神的な緊張が高まる場面で症状が悪化することが多く、仕事に影響することも少なくありません。また顔面痙攣の特徴として、発症時に顔面の痛みや感覚異常は伴いません。

顔面痙攣の主な原因

顔面の筋肉である表情筋は、顔面神経という7番目の脳神経に支配され、脳からの指令によって動かされています。しかしながら顔面痙攣は、多くの場合、顔面神経が脳から出たところで周囲の血管に圧迫刺激されることによって、脳からの意思とは無関係に生じる、神経血管圧迫症候群の一つです。また疾患に関連するものとしては、顔面神経麻痺の後遺症として生じる場合もあります。ごく稀にですが、脳腫瘍が顔面神経を圧迫することで発症するケースもありますので、まずはMRI検査が必要です。

顔面痙攣の検査方法

顔面痙攣の検査方法

顔面痙攣の場合、症状が出現してから進行していくまでの経過や痙攣の様子を診察します。その後頭部MRI検査を行い、顔面神経の走行部位と、神経を圧迫している血管や腫瘍がないかを判定します。MRIでFIESTAまたはCISと呼ばれる特殊な検査法を行って、顔面神経に接触、圧迫している微小血管の有無を確認、原因の診断を行いますが、血管の細い枝が顔面神経を圧迫している場合、MRI検査の画像では圧迫の有無を確認できない場合もあります。その場合には、実際の症状や経過から総合的に判断していくことになります。

顔面痙攣の治療方法

顔面痙攣の主な治療には、以下のものがあります。顔面痙攣の主な原因は顔面神経が血管によって圧迫されることであるため、根本的な治療方法は、外科的療法(手術)となります。

なお、手術が必要な場合には、豊富な手術経験をもつ当クリニック理事長(第26回日本脳神経減圧術学会会長)が執刀医として連携病院での手術を行うことが可能です。

薬物療法

緊張した際などに強く生じることが多いので、安定剤の類を服用することがありますが顔面けいれんに効果のある薬剤はありません。

ボトックス療法

食中毒で呼吸筋麻痺を生じることのあるボツリヌス菌の毒素を薬剤にした、筋弛緩作用のあるボツリヌス注射を行うことで、痙攣部位の筋肉を弛緩させ、見かけ上の痙攣のを抑えます。しかし、効果は2~3か月程度しか継続しないため、3~数か月おきにボツリヌス注射を繰り返し受ける必要があります。ボトックス治療は筋肉を弛緩させて痙攣を見かけ上抑えるものであるため、根本治療ではありません。また、繰り返すうちに抗体ができて効かなくなることもあり、顔の筋が委縮するという副作用もでることがあります。

外科的治療

開眼困難で運転や読書、スポーツに支障を生じてきたり、美容上の問題が大きい場合などは、患側の耳介後方に500円玉大の骨窓を設け、、直接的に神経の圧迫を解消する脳神経減圧術を行います。痙攣の原因である神経への圧迫を取り除くことから、顔面痙攣に対する唯一の根本治療と言えます。多くの症例では手術直後から痙攣が消失しますが、ケースによっては消失するまでに時間がかかる場合もあります。理事長の手術の場合は、全身麻酔下に2時間半ほどの手術時間で、入院期間は約1週間です。

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